今年8月15日(日)に老衰で亡くなったフトアゴヒゲトカゲ太(ふと)ちゃん。
書こう書こうと思いつつなかなか書く気になれなかったのですが、他のフトアゴ飼いの皆さんの参考になればと、最期のお話を記しておきたいと思います。
以前に書いた記事「
高齢なフトアゴヒゲトカゲ」の時点(2021年7月)10歳9か月で、フトアゴヒゲトカゲの平均寿命は昨今では8年と言われているのでかなりの高齢になっていました。
グラブパイを水で溶かした流動食を注射器で口に含ませるのも、8月になると1口飲むかどうかになっていました。
毎朝起きたとき、太ちゃんは生きているのかと脇の下を見ます。目を閉じてじっとしていても、呼吸すると脇の下が呼吸に合わせて動くので、それで生存確認をしていました。
そして8月15日の昼前頃だったでしょうか'(このときは時計を見ていないので曖昧ですが)。
何気なく太ちゃんの様子を見たら、ホットスポット近くの石と流木の間の隙間で横向きの変な態勢で挟まって、口をパクパクしているのに気が付きました。
あわてて太ちゃんをケージ内の平らな場所に移動し、うつぶせに寝かせたのですが、時々口を大きく開ける動作を繰り返します。
「これは亡くなる前の下顎呼吸なのでは」とすぐに分かりました。
人が亡くなる直前、下顎を動かして口をパクパク開けるような呼吸になると聞いたことがありました。
(後で動物葬儀屋さんから伺った話によると、いろんな種類の動物が亡くなる直前に下顎呼吸になっていたと飼い主さんがお話されるのを聞くそうでした。)
太ちゃんの場合、顎を床について腹ばいでいるので、口を開けると上顎が動く、しゃくりあげるような動作になっています。
これを「死戦期呼吸」と言うそうで、心停止した直後の呼吸で、肺に空気は送り込まれていない状態だそうです。
健康な人が急に心肺停止したなら心臓マッサージと人工呼吸をしないといけませんが、太ちゃんの場合は老衰なのでそのまま静かに見守ることにしました。
こう書くと冷静なようですが、その時はかなり動揺していて、見守るしかなかったというのが正確なところだと思います。
これも後で調べて分かったことですが、人の場合の終末期での死戦期呼吸の時、脳内麻薬がされていて恍惚状態になり酸欠でも苦しみを感じないんだそうです。延命させようと人工呼吸して脳に酸素を送ると麻薬分泌が止まって苦しみを味わわせることになるんだとか。
そうして見守る中、12時半頃、大きくしゃくりあげて脇の下が動いた後、全く動かなくなってしまいました。この時が臨終の瞬間だったのだと思います。
見た目はいつもの目を閉じた太ちゃんで、体色が変わるわけでもありませんでした。
覚悟していたとはいえ、亡くなったことを信じたくない気持ちが強かったので、太ちゃんが生き返っていないか何度も様子を見ました。
ですが、夕方頃から体幹部分から死後硬直が始まってしまい、夜中には全身が硬直。太ちゃんの死を受け入れざるをえませんでした。
翌日、葬儀・火葬を行いました。
太ちゃんのケージは私の枕元の棚上にあり、太ちゃんが元気な頃は朝起きると太ちゃんと目が合い「おはよう」と挨拶をする毎日でした。
怖い夢を見て夜中に目が覚めた時も、太ちゃんの眠っている姿を見ると怖くなくなりました。
晩年、いつも目を閉じていて目が合わなくなっても、太ちゃんが生きていることにほっとしていました。
でもこの日から、朝起きても太ちゃんがいない空のケージが目に入り、空虚感が押し寄せました。
太ちゃんがどんなに私の中で大きな存在だったのか、何度も思い知らされました。
数日後、一人のときに「太ちゃん、いなくなって寂しいよお」と声をあげて号泣しました。
それまでは娘が泣くもんだから、私自身は娘の前では気丈にしないと...泣けずにいたのです。
大人になって声をあげて泣いたのは初めてでした。
あれから4か月以上過ぎました。
今でも思い出すと辛いですが、だいぶ心穏やかに過ごせるようになりました。
太ちゃん、ありがとうね。
きみと過ごした10年は楽しかったよ。
虹の橋でまた会おうね。
2018年撮影。お花見に一緒に行った最後の写真。

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